独占インタビュー|エリ・フィッシャー博士(フィッシャー・ファーマシューティカルズ株式会社 創設者)
イスラエルではどの家庭でも必ずといっていいほど同社製品が使われているという、FischerPharmaceuticals Ltd.(フィッシャー・ファーマシューティカルズ株式会社)は、1965年にイスラエルのテルアビブで設立されました。眼科および皮膚科製品の研究開発と製造を専門とする同社の製品は、現在40カ国以上で親しまれています。
同社の創設者であるエリ・フィッシャー博士(Dr. Eli Fischer)は、科学者であると同時に実業家でもあります。眼科および皮膚科の分野で影響力のある科学者として膨大な知識とスキルを駆使し、革新的なアイケアおよびスキンケア製品を発明してきました。本記事では、同社の「ドクター・フィッシャー 目元ふきとりシート」の日本市場における本格展開にあたり、博士にご自身や同社、目元ふきとりシートなどについてお話を伺いました。
まず、博士ご自身とフィッシャー・ファーマシューティカルズ社についてお聞かせください。
私は医学の基本は生化学だと考えていたので、まずエルサレムの大学で生化学を学んだ後、アメリカのカリフォルニア大学において薬学の博士号を取得し、現在でも広く医療の場で活用されている緑内障の目薬の開発に携わりました。その後イスラエルに戻り、1965年に妻と二人でフィッシャー・ファーマシューティカルズ社を立ち上げたのです。
当社は創立当初から目薬と皮膚薬に特化しており、これまでに約40種類の目薬を開発しました。診断用医薬品、ステロイド剤、抗生物質、一般用医薬品など数ある当社製品の中でも、とりわけ目薬はここイスラエルにおいてほとんどの眼科医が使用しています。眼科医や病院関係者、そしてイスラエルの家庭には必ずと言っていいほど当社のスキンケア製品が置かれているんですよ。現在約40カ国で販売されており、イスラエル国内では輸入品や海外製品と比較して、ベビー用品は市場の60~70パーセント、ファミリー向け製品も50%以上を占めています。
ご夫婦お二人で起業し、成功までの道のりは簡単ではなかったと思います。起業当初の印象に残っているエピソードはありますか?
たった100平方メートルのオフィスで、私がすべての製品開発を行い、妻はマネジメントと品質管理などのすべてを担当していました。眼科医をターゲットに営業をはじめましたが、創立したばかりの当社を知るものは誰もおらず、また当時20代後半だった若い私の話を聞いてくれる人はなかなか見つかりませんでした。
彼らを説得するのには非常に長い時間がかかりましたが、自分の持つ生化学と微生物学と薬学の基礎知識を使って、根気強く学術的側面から対話を続けた結果、徐々に製品が受け入れられるようになったのです。最初の約2年間はほとんど誰にも相手にされず、会社の当初の成長はとても緩やかなものでしたが、現在では1,000人近くの従業員を擁する企業に成長しました。