医学博士 眼科専門医の有田玲子先生がVDT症候群についてわかりやすく解説!

現在の私たちの生活は、パソコンや携帯電話、さらにはスマートフォンやタブレット端末など、さまざまな「表示機器」(VDT:Visual Display Terminal)に囲まれています。それらの機器を長時間使うことによって起こるのがVDT症候群。これには疲れ目やドライアイ、充血などの目の健康状態を損ねる症状が含まれ、放置しておくと生活の質が低下するおそれがあります。

以前は、主に仕事でパソコンを使う人に見られる症状とされていましたが、リモートワークの増加や子どものスマホゲームの長時間利用などによって、今では幅広い世代に起きている現代病の一つとなっています。

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今回は、医学博士で眼科専門医の有田玲子先生に、VDT症候群とその対策についてわかりやすく解説していただきました。

医学博士 眼科専門医 有田玲子(ありた れいこ)

ドライアイ、とくに涙あぶらの分野では世界屈指の専門家。
ドライアイに関する英文論文は80本以上など、ドライアイに関する眼科研究の世界的第一人者。
ドライアイに関する正しい知識の一般のかたへの啓発、ホームケアから最先端の医療機器の普及などで活動するLIME研究会代表。
以前は東大病院、慶應大学病院でドライアイ・MGD専門外来を担当し、国際的ドライアイガイドライン作成委員も複数回つとめ、日本のMGDガイドラインの作成委員会の主要メンバー。現在はさいたま市の伊藤医院で内科の父とともに眼科を担当。

有田玲子オフィシャルサイト
https://aritareiko.com/

VDT症候群の症状とは

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医学博士 眼科専門医 有田 玲子先生

デジタル機器の画面を見ている時は、瞬きが減り、目のピントを合わせる筋肉が固定されてしまい、これがVDT症候群の原因となります。厚生労働省では「技術革新と労働に関する実態調査」を行い、VDT作業に対する労働者の適応状況などを調査したところによると、「VDT作業で身体的な疲労や症状がある」と答えた割合は7割にものぼります。目の疲れ、首や肩のこりなど肉体的な症状だけでなく、イライラや不安、抑うつ状態になるなど、精神的な影響を及ぼすこともあります。

VDT症候群の症状は、大きく次の3つに分類されます。

  • :目の乾き(ドライアイ)、目の痛み、充血、視力の低下、目のかすみ、ものがぼやけて見えるなど
  • 骨格筋:首や肩のこり、首・肩・腕の痛み、足・腰のだるさ、背中の痛み、手指のしびれなど
  • 精神・神経:頭痛、めまい、イライラする、食欲不振、不安感、抑うつ状態、睡眠障害など


オフィスや家庭でも、パソコンなどを使用する機会はますます増えており、今後はさらにVDT症候群を訴える人は増加すると考えられています。

デジタル機器を使用する際に気をつけることとは?

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医学博士 眼科専門医 有田 玲子先生

アメリカ眼科学会では、VDT症候群の予防について次のような提案をしています。

20-20-20ルール

20分に1回、20秒間、20フィート(約6m)離れたところを見るというもの。目のピントを合わせる筋肉を定期的に休ませることで、眼精疲労を低減します。

目に潤いを与える

ドライアイの悪化を防ぐため、適宜目に潤いを与えましょう。目薬は、目を保護する成分まで洗い流してしまうため使いすぎを避け、目元ケア用品を使って目周りを優しく拭き取るなどするのが良いでしょう。

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