赤ちゃんの目やには、育児中のパパやママにとって気になる症状のひとつです。朝、目頭に少しついている程度であれば心配いらないことがほとんどですが、目やにの量が増えたり、黄色や緑色に変化したりすると、「もしかして病気かも?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
赤ちゃんは免疫力が未熟で新陳代謝が活発なため、目やにができやすい傾向にあります。原因は風邪や結膜炎、ものもらいや角膜の炎症などさまざまな要因が考えられますが、実は適切なケアを怠ると、赤ちゃんの将来の視力に大きな影響を及ぼす可能性があるのです。

今回は、医学博士で眼科専門医の有田玲子先生に、赤ちゃんの目やにがなぜ出るのか、その原因と正しいケア方法、そして将来の視力を守るために必要なアイケアについてわかりやすく解説していただきました。

ドライアイ、とくに涙あぶらの分野では世界屈指の専門家。
ドライアイに関する英文論文は80本以上など、ドライアイに関する眼科研究の世界的第一人者。
ドライアイに関する正しい知識の一般のかたへの啓発、ホームケアから最先端の医療機器の普及などで活動するLIME研究会代表。
以前は東大病院、慶應大学病院でドライアイ・MGD専門外来を担当し、国際的ドライアイガイドライン作成委員も複数回つとめ、日本のMGDガイドラインの作成委員会の主要メンバー。現在はさいたま市の伊藤医院で内科の父とともに眼科を担当。
有田玲子オフィシャルサイト
https://aritareiko.com/
赤ちゃんに目やにが多い理由とは?放置するとどうなる?


もともと赤ちゃんは目やにが出やすく、ある日急に目やにが増えることもありますが、目やにをふいた後に普通に過ごせるようなら問題はありません。特に睡眠中はまばたきによる排出が行われないため、朝起きると目やにが目立つのは赤ちゃんにとって珍しいことではありません。
とはいえ、そうした心配の少ない段階でも、症状の悪化や重症化を防ぐために、日頃から目の清潔を保つことが大切です。
目やにの色が黄色や緑っぽい、片目だけに集中している、充血を伴うといった場合は以下のような原因が疑われるため、注意が必要です。
- 鼻涙管(びるいかん)閉塞:涙が鼻へ流れるための通り道がふさがれることで、片側だけ涙が流れにくくなり、目やにが多くなります。
- 結膜炎:ウイルスや細菌感染によって起こり、しばしば黄色または緑色の粘度の高い目やにや腫れ、かゆみを伴います。
- 風邪:鼻や喉の炎症が目にも影響し、目やにや充血を伴うことがあります。
- アレルギーや逆さまつげ:まぶたの刺激でかゆみや炎症を引き起こします。
赤ちゃんの視覚は6〜7歳頃までに完成すると言われており、目やにや炎症を放置すると視力発達の妨げになったり、弱視・斜視などのリスクにつながる可能性があります。そのため、注意深く観察し、必要に応じたケアが欠かせません。
正しい目やにの取り方とケア方法


赤ちゃんの目元はとても繊細。赤ちゃんの目元ケアには、成分にも十分な注意が必要です。目やにが見られたら、防腐剤や添加物を含まない、目元専用の製品を使って以下のようにやさしくケアしましょう。
- 目頭から目尻に向かって一方向にやさしく拭く
- 片目ずつ、別の面・ガーゼで拭き取る
- 拭いた後はしっかり手洗いをして感染を防ぐ
赤ちゃんの目元からの小さなサインは、将来の視力の健康を左右する大切な手がかり。「ただの目やに」と軽視せず、日常的に赤ちゃんの目元を観察し、清潔を保つこと。そして、必要なときには適切に処方された製品でケアをすること。それが、赤ちゃんの健やかな視力発達をサポートし、安心につながる第一歩となります。
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